恋愛相談に回答しているとたまに
- 「何回言っても治らない」
- 「開き直る」
- 「人は変わらない」
このようなワードを耳にします。
そこから「本当に大切にしてくれていると感じない」と思ったり、「別れた方が良い?」と思いつめた相談が寄せられるのですが…
当記事では
- 結婚相談所を10か月で成婚退会
- コーチングのセミナーを受講
このような経歴のある筆者が、人の考えを変える方法について解説します。
人の考えを変えるのは至難。
ですが、お付き合いをしていたり、籍を入れている人にとって簡単に別れる選択は取れないもの。
是非、関係改善の参考にしてください。
Step1:まずは相手を受け入れることから始める
具体的には
このようなことが重要。
人を導くには
- 信頼関係があること
- 相手の受け入れる準備が整っていること
この2つの条件が整ってなければいけませんが、まずはこれ以上傷が広がらない(信頼の喪失を防ぐ)対策を施す必要があります。
以下、その方法について具体的に解説していきます。
期待しない
怒りが湧き起こるのは
- 思った通りの結果になっていない
- 思い通りに動いてくれない
このような期待から生まれるものです。
つまり、相手に期待をしていなければ怒りの感情が湧かないということ。
例えば、相手が小学生だったら、無神経な一言を言ったとしても「まだ子供だから」と思い、それほど怒りの感情は湧かないでしょう。
相手が知性のない猿だったら、片付けをしなくても「まぁ猿だしね」くらいにしか思わないでしょう。
それを、世の中や自分の中の普通と比べてしまうと、相手のレベルが低く思えて「こんなこともできない?」「普通はやるでしょ」という発言に繋がってきます。
期待値を下げるポイントは
- 自分が普通と思わない
- 世の中の基準に当てはめようとしない
- 中立的な目線を持つ(相手の意見も聞く)
人の考えは違って当然。
自分や世の中の普通が相手の普通とは限りませんから、まずは相手に対して期待をしないこと。
若しくは基準値を下げることから始めましょう。
期待しない=諦める ではない
「期待しない」と聞くと「諦める」と思われるかもしれませんが、厳密には違います。
- 期待しない:
期待値を下げる・怒りの感情が湧かない - 諦める:
期待値はそのまま・怒りの感情が湧く(我慢する)
で、そもそもイライラしないのが「期待しない」という状態。
恋愛にあてはめると
- 多くを求めない
- 一緒に居るだけで幸せを感じる
- 小さなことでも素直に喜べる
このような特徴があります。
理論武装しない
いくら正論を並べても、相手から信用されていなければ「言いくるめ」と捉えられます。
人間関係で重要なのは理屈や根拠ではなく、相手の納得感を得ること。つまり感情に配慮することです。
例えば「子育てが忙しくて家事に手が回らない」という悩みに対して「俺も仕事で忙しい」と返すパターン。
確かに正論ですが、それでは相手は納得しません。
理由は、相手の悩みが解消したわけではないから。
「残業が多いからもっと休みが欲しい」と会社に申し出たのに「気合が足りない」と言われるのと同じくらい理不尽さを感じます
相手は悩みや不安を抱いて相談しているのですから、まずはその気持ちを汲み取るのがポイント。
会社では、お金や上下関係があるので多少の無理は聞いてくれるかもしれませんが、無償・対等な恋人関係では感情面の配慮がダイレクトに影響します。
責めない
例えば
- 「なんでやってないの?」
- 「何度言ったら分かるの?」
- 「今まで何をやってたの?」
これらのワードは感情をぶつけてうさ晴らしをしているだけ。
答えたところで最終的には怒られる(責められる)のは相手も分かっているので、何も答えず、結局何の解決にもならないことが多いです。
そしてどんどん信頼を失っていきます
改善を期待するなら
- 「どうすれば良かったと思う?」
- 「次からはどうしようと思ってる?」
このように過ぎたことには触れず、未来のことに目を向けるべきです。
また、「言ってくれれば良かったのに」というワードも「言わなかった君が悪い」と責めているように聞こえるため言わない方が良いです。
誰にも嫌な面はあるものと認識する
- 誰にでも苦手な分野はある
- 時間は有限。全てを完璧にこなすのは不可能
- 親も育った環境も違う
デートでは誰もがオシャレをして身だしなみに気を使うし、初めの内は「素」を押さえて品行方正に努めるもの。
徐々に「素」が出てくるのだから、合わない部分も徐々に出てくると考えるのが道理です。
例えば
- 徐々に連絡頻度が落ちる
- 仕事や友達を優先するようになる
- 可愛げが無くなる
これらも「素」が出ている証拠。
逆に言えば、距離が縮まった証・仲良くなってきた証とも言えます。
長い目で見る
相手の考えを変えるということは、20年、30年かけて培った思考を変えさせるということ。
たった一言、あるいは数ヶ月で変わることは基本的にありません。
「何度言ったら分かるの?」はナンセンス
思考の習慣化は6か月かかると言われています(出典:みんチャレ)
これは、本人がやる気になって最短で6か月。ということですから
- 本人がやる気になってない
- 信頼関係が失われている
こんな状態では数年単位の時間がかかることは容易に想像できます。
信頼を失う言葉を言わない
具体的には
自分の発言 | 相手の目線 |
---|---|
聞いてるの? | どうせ聞いてないでしょ? |
相手の不満点を目の前で言う | プライドを傷つける |
この間も○○してたじゃない | プライドを傷つける |
誰がお金出してるか分かってる? | 上から目線 |
言ってくれたらよかったのに | 言わなかった君が悪い |
何回言ったら分かるの? | 答えようがない。ただの憂さ晴らしに見える |
自分の発言 | 相手の目線 |
---|---|
聞いてるの? | どうせ聞いてないでしょ? |
相手の不満点を目の前で言う | プライドを傷つける |
この間も○○してたじゃない | プライドを傷つける |
誰がお金出してるか分かってる? | 上から目線 |
言ってくれたらよかったのに | 言わなかった君が悪い |
何回言ったら分かるの? | 答えようがない。 ただの憂さ晴らしに見える |
他にも沢山ありますが、相手の不出来を取り上げて言うことを聞かせようとする姿勢は、相手のプライドを酷く傷つけます。
その結果
- ますます言うことを聞いてくれなくなる
- 我慢に我慢を重ね精神的に病む
このように、良かれと思ってしていたことが、逆に悪い方向へと進んでしまいます。
Step2:信頼関係を築く
相手を変える、相手を導くには、まずは信頼関係が築けていることが大前提。
信頼関係が無いと、いくら口で伝えても「あなたに言われたくない」と拒絶されます。
具体的には
ポイントは対等な関係を築くこと。
以下、詳しく解説します。
自分から与える
相手を変えたいのであればまずは自分が率先して動くべきです。
例えば
- 相手が助けを求めてきたら本気で向き合う
- 頻繁に愛情表現をする
- 何でもない日にプレゼントをする
- 余暇を与える
- 感謝の気持ちを伝える
- 掃除して欲しいならまず自分が率先して掃除する
大事なのは、楽をしようとしない(手間暇かける)こと。
普段からパートナーに興味をもって、今何を欲しているかを察せるようになってください。
命令しない
命令は上下関係があって成り立つもの。
例えば会社組織や軍隊。報酬が支払われる関係や契約など。
トップの思想を着実に遂行するために、上の者が下の者に対して命令を出して言うことを聞いてもらうためのものです。
各々が完全に自分の意思でやっていると、会社は傾いてしまいますし、軍隊では命取りになりますからね。
ですが、恋愛においては対等な関係。
お互いの意思が尊重される関係ですから、言ってやらせるのではなく、自発的にやってもらうように仕向けるのがポイント。
命令を出して強制的に相手を動かす行為は、信頼を消費する行為。
たまに言う分には問題ありませんが、度が過ぎると信頼を失い、言うことを聞いてくれなくなります。
自分が模範となる
例えば
- 太っている医者からダイエットの方法について熱弁される
- 家庭を顧みない人から「恋人を泣かせるなよ」と言われる
- 浮気をしている人から「異性と連絡を取るな」と言われる
このような場合「お前が言うな」と言いたくなりますし
- 口先だけで自分はやらない
- 自分に非があっても誤魔化す・言い訳する
- パートナーには無関心
このような人は尊敬の念を抱かず「何かしてあげよう」という気にはなりません。
恋人・パートナーから尊敬される人になると
「あの人言うことを聞いていれば、わたしもあの人のようになれる」
「だから聞こう」
と思われるものです。
相手を尊重する
例えば
- 買い替えたばかりのスマホカバーを見て
「埃が溜まりそうだね」 - 食事中にデザートを注文すると
「デザートを途中で挟むのが理解できない」 - 「もっとハイブランドが似合う女になれ」
と冗談っぽく言う - パートナーの家族が病気になったが、
毎日連絡を続けていた - 風邪をひいたときの第一声が
「俺にうつってないかな?」
このような言動は
元の発言 | 埃が溜まりそう 理解できない ハイブランドが似合う女 毎日連絡 うつってないかな? |
---|---|
変換後 | 独特なデザインだね 理由を聞く(理解に努める) 何も言わない 家族を心配する・そっとする まずはパートナーの心配 |
このように変換する癖を付けましょう。
これらに共通するポイントは、相手に対しての配慮がなされていないという点。
- どのような言葉が傷つくのか分かっていない
- 「自分が正しい」と無意識に思っている
- 意識が自分に向いている
このように自分を優先していると捉えられるため「大切にされていない」と思われてしまいます。
依存しない
お互い対等な立場になるには「自立」が不可欠。
具体的には
- 自分の機嫌は自分で取る
- お互い経済的な余裕を持つ
- すぐ感情的にならない
- 嫌なことはちゃんと意見する
- ただし言い方には気を付ける(命令口調はNG)
このように子供のような態度をとらない。ということ。
主導権を奪われると相手の言いなりになりやすいため「最悪別れてもいい」「一人でも生きていける」という覚悟を持つ方が、不満も溜まりにくいです。
自分を幸せにできるのは自分自身
一度決めたルールは守る
パートナーと決めたルールや約束は徹底して守りましょう。
他人との約束はもちろん、自分自身との約束を守ることで自分への信頼(自信)が付いてきます。
また、ルールは状況が変わった時には見直すことも大事。
- 喫煙者の割合
- 飲酒運転の厳罰化
- 男性の育休
- モラハラ・パワハラの意識
昔と今とで世間の価値観が大きく変わることはあり得ますので、柔軟さも持ち合わせることがコツです。
Step3:相手のやる気を引き出す
信頼関係が築かれていても、相手がその気になっていなければ「余計なお世話」と反発されます。
相手その気にさせるには
このような方法があります。
以下、詳しく解説します。
体験させる
例えば
- 実際に家事をやってもらう
- 洋服をプレゼントして着てもらう
- 感謝の言葉を常に投げかける
このように、実際に体験させることで価値観が変わることは往々にしてあります。
ポイントはメリットを実感してもらうこと。
これをやったら君(あなた)にとって良いことがある。
というモノを選ばないと「それをやって俺に(私に)何の得があるの?」と思われてしまいます。
人は自分にメリットがないとやる気が出ません
自分の感情を伝える
タバコをやめれば「健康になる」「支出を減らせる」ということはわかっている。けどできない。
そんな場合は感情に訴えかける方法もあります。
例えば
- 「○○と言われて傷ついた」
- 「悲しい気持ちになった」と言う
- タバコを吸うたびに頭痛薬を飲む
信頼関係が築けていれば「パートナーが傷つく姿は見たくない」と思うもの。
自分が辛い思いをしていることを直接的・間接的に伝えることで、相手のやる気を引き出させます。
ただし「パートナーの苦しみは自分事」と思われるくらいに信頼されていないと
- 気を引くための演技
- 大げさに言っている
と悪い方向に捉えられます。
そのため、まずは信頼関係の構築が重要
称賛する
例えば
- 家事を手伝ってくれたら「ありがとう」と伝える
- 洋服をプレゼントして「似合ってる」と褒める
- 重いものを持ってくれたら「助かる」と感謝する
- 何気ない会話で「いつも頼りになる」と褒める
- 「好き」「愛している」と伝える
人は誰しも自尊心を持っていますから、このような何気ない言葉の積み重ねが大きな原動力になります。
ビジネスでも、人から直接「ありがとう」と言われると「やってよかった」と思えるし、SNSで沢山の人から「いいね」をされると嬉しくて「またやろう」と思えます。
上手くいかない人の思考は「そんなの、言わなくても分かるだろ?(でしょ?)」という考え。
想いは言葉に出さないと伝わりません。
わたしは過去、上司に「もっと心の承認が欲しい」ということを遠回しに伝えたところ「それは会社で給料という形で反映される」と返され、冷めた記憶があります。
お金・経済力はもちろん大事ですが、相手の承認欲求も満たしてあげないとモチベーションは生まれません。
行動で示す
自分もやることで不公平感をなくす
- 自分も頑張っている姿を見せる
- 自分が率先して行動する
実力差があり過ぎると諦めてしまうため、相手のレベルに合わせることがポイント
尊敬できる人を観察すると
- まず自分からやる、音頭をとる
- そして周りの人がやり始めたら手を放す
と、初動に手間暇かけているのが共通点。
人は車や電車と同じように動き出すまでが最もエネルギーが必要で、一度動き出すと簡単に走り始めます。
逆に尊敬できない人は、口しか出さなかったり、自分は動こうとしなかったりで
- 結局は自分がやりたくないだけ
- 自分のことを優先する
それが、偉そうという不快感に繋がります。
8割~9割はそのような立場に甘んじている印象
番外編:すぐに変えたいなら距離を置く
- すでに心身ともにボロボロ
- 感情が爆発しそう
このように時間が無い場合はいっそ距離を置く方が良いです。
人の考えが変わるキッカケの一つは大事なものを失ったとき。
例えば
- 命を失う
- 莫大な資産を失う
- 信用を失う
- 大切な人を失う
このような時ですから、距離を置いたり、恋人関係を解消して冷却時間を置くのが通説です。
どれくらい時間を置けばいい?
これに明確な答えはありません。
早ければ数日で戻る場合もありますし、遅いと1年、2年経っても治らないこともあります。
個人的には、浮気、暴力、暴言、ギャンブルは無期限。それ以外なら6か月以上が良いと感じます。
その理由は
わたしも職場で適応障害になったことがありますが、原因の人と距離を置いてからは1ヶ月くらいで回復しました
別れたくない時はどうすればいい?
自立をすることで決断力は上がります。
具体的には
精神的な自立 | 一人の時間に慣れる 別の生きがいを見つける 新しい恋を探す 友人や家族との付き合いを重視する |
---|---|
経済的な自立 | 一人暮らしをする 経済力を上げる |
このように一人でも生きていける力をつけること。
お金や愛情など、他人からもらわなければ生きていけない人は非常に危険です。
まとめ:期待値をコントロールして相手を受け入れる
パートナーの考えを変えることは非常に難しく時間のかかること。
一度言っただけでは治らないですし、自分自身の行いも見直さなければいけません。
- 寛容な心を持って相手を受け入れる
- 信頼関係を築く
- やる気を引き出すキッカケを与える
そして嫌われる覚悟を持つこと。自立すること。
相手の考えを変えるにはこれだけのことをする必要があります。